（ああ～チーズティーか。沙田くん、よくわかったな。エネミーのこういう部分がわかるのって沙田くんか美子くらいよ…

　六角第二高校がしばらくのあいだ校舎の改修工事で短縮授業のため、社とエネミーは繁華街にいた。 　南町の繁華街の…

　いざ、タクシーに乗る。 　ふふ、わかってるさ。 　このパターンってなんだかんだ独りタクシーになるってオチだろ…

　『あと私が伊万里にあげられる情報はっと。外務省がかなりの数の新約死海写本を手に入れてるってことくらいかな。一…

スマホの画面が切り替わった。 　ふと寄白さんを見てみると、今、まさに画面をタップする直前だった。 　……ん？　…

　『伊万里。おおまかな概要はそのPDFのとおり』 　 　わずかなあいだで戸村伊万里のもとに同僚からのメールが返…

　戸村伊万里の指先は両開きのファイルの境目を交互に行ったり来たりしている。 　（この六校は六角第一高校から順番…

戸村伊万里は六角駅前にあるホテルの一室で一卵性双生児いもうとの伊織と電話を終えそのまま駅前の街並みを見下ろして…

「朝の話では姉と一緒に大地震に遭遇したとだけいってましたよね？」 　（誰か身近な人を亡くしてるとは思ってたけど…

　九久津は国立六角病院のロビーのソファーにひとりで座っていた。 「こんばんは」 　静寂を裂いたのは九久津の耳に…