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第350話 守塩(もりじお)
「えっ、な、なに?」 俺が答えると社さんはすこし呆れ気味だった。 あっ、外部の生徒であるエネミーが騒ぎす…
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第349話 【七不思議その三 段数の変わる階段】
「きちゃ・っ・た」 「おっ!? びびった」 俺が「中吊りの鉄(?)」になりかけているとエネミーはケンケンパ…
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第348話 鉄
「男ってのは最低だな」 よ、寄白さんの声。 な、なにげに寄白さんも三年生のリアルドキュメンタリーを視聴み…
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第347話 体育館裏の青春
寄白さんは案の定まだ学級日誌を書いていた。 それでいながら同時に『保健だより』まで広げている。 サイドテ…
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第346話 相談
――国立六角病院。 壁にある専用回線の電話が鳴った。 九条はすぐに呼び出し音に反応して受話器をあげ…
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第345話 出勤
戸村伊万里は早朝から六角中央警察署の六波羅班の部屋にいた。 若い女性警察官は恐縮しながら戸村伊万里の前に立ち…
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第344話 偉い人たち
鈴木先生の教え子が出演した六角市ノンフィクションドキュメントの効果なのかワンシーズンが歌うペンタゴンのバラード…
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第343話 大規模生態系破壊(エコサイド)
しーんと静まり返った山のなかで妖精の羽音だけが響いている。 矢を放ったクロスボウはフード付きの黒いローブの…
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第342話 レッドリスト ―唐傘お化け―
六角市を囲むように聳えている守護山、その南東部、深い木々のなかで――カンカンとひとつ歯の下駄の跫音おとがする。…
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第341話 六角市南部の不可侵領域
戸村伊万里は通話を終えてから部屋の窓辺に立ち六角駅前を眺めていた。 ロータリーの中をさまざまな車が走っている…