【公式】異能者たちの苦悩-連載小説-

九久津堂流がまだ高校生のころ。 　堂流は年の離れた弟の九久津毬緒をことさらかわいがっていた。 　「兄ちゃん。あ…

六角神社は六角市の南西部にありもう百歳にもなろうとしていた。 　永い年月の中には戦争も大きな地震も激しい台風も…

俺の一歩先をいく近衛さんは電話を終え、周囲に気を配りながらすいすいと進んでいく。 　きっとこんな場面には何度と…

俺と近衛さんは周囲の変化や足元に注意しながら静かになった亜空間に向かって歩いている。 　闇の中に靴音だけが響く…

だが二条はまったく意に介さない。 　「秘密。守秘義務があるから」 　大人の対応に徹した二条はそのまま呆れながら…

　「照度しょうど変更。光度こうど変更。輝度きど変更」 　寄白はなおも対象者のほうに目を向けることはなかった。 …

校長室が騒然としていたころ寄白はひとり「六角第一高校いちこう」の四階にいた。 　「……」 　人体模型はいつもの…

「複雑なんですねこの世界は？　もっと単純ならよかったです……」 　 　「いやいや。多面体ためんたいだからこそ世…

俺と近衛さんはただ九久津とバシリスクのゆくすえを見ているしかなかった。 　しばらくして戦局は動いた。 　海鳴り…

九久津はそんなバシリスクを流し目で見たあとに、バシリスクに背を向けて歩いていった。 　そこにあぐらをかき座る。…