【公式】異能者たちの苦悩-連載小説-

「九久津。塩の五芒星で囲め!!」 　　 　寄白さんが九久津に指示を飛ばした。 　ぴったりと息の合った動きで、九…

俺は今「六角第一高校いちこう」四階の廊下にいる。 　放課後だけど、もう夕方と呼んでもいい時間だ。 　「真野さん…

俺が「六角第三高校さんこう」にいってからもう数日経ってるのにそれ以降校長に会うことはできなかった。 　水を打っ…

俺はまるで背骨を引き抜かれたようによろよろして硬いコンクリートの上に尻もちをついた。 　とたんに体中の力が抜け…

「それは彼女が説明いたします。私は席を外しますのでここで少々お待ちください」 　 　仁科校長は俺に一礼してから…

俺がつい一ヶ月前まで在籍していた「六角第三高校」俺は今その屋上にいる。 　昨日校長にいわれたから、さっそく放課…

林の中を駆けてきた繰と九久津毬緒の兄｜九久津堂流《くぐつどーる》。　九久津堂流もまた九久津に似た美男子だった。…

逢魔おうまが時、繰は校門に寄りかかりながら沙田のいなくなったバス停を感慨深くながめていた。 　ただ、そこに疲労…

「九久津くん。あとは私が話すわ」 　アスファルトを弾く音の中から柑橘系の匂いと女の人の声がした。 　「繰さん」…

「へ～じっさいはこんな造りだったのか。それで四階を隠す理由は？」 　「四階はアヤカシの溜まり場になりやすいから…