【公式】異能者たちの苦悩-連載小説-

壁にあるデジタルの時計が示している時刻。 　東京【２３時１２分】　シンガポール【２２時１２分】　パリ【１６時１…

　「そのとおり。そこになにひとつ嘘はない」 　「だったら本体よりも先に周囲のアヤカシから退治するのは能力者とし…

「思わぬ収穫でした。やっぱり残存個体、最後の一体のDNAは調べておきたいですから。これがあとでどんな役に立つか…

　座敷童の水を掬うような手のひらに乗っている者は、つぶらなひとつ・・・の目で座敷童を真っすぐに見上げている。 …

「はい」 　「ああ、ちょっと待っててくれ」 　鷹司はいつのまにか机の上の砂時計を握っていた。 　いまだ書類など…

 鷹司は天井を向き目をつむりながら左手の親指と人差し指で両目の目頭を揉んでいる。　 　ふと視線を外し…

「愚問だったな。細かなメカニズムはまだはっきりしないが零時のあとにアヤカシが爆発的に増えるグレイグーが発生する…

　「官房長官。各所に伝え終わりました」　 　「ごくろう」 　「いえ」 　秘書官は執務室のドアの前で鷹司の言葉を…

　秘書官は官房長官室のドアが開けるや否や滑りこむように部屋に入ってきた。 　不思議と座敷童の姿は消えている。 …

　G7アヤカシ対策オンラインサミット。 　「日本はこのたびのハリケーンアンドロメダによる被害に対して見舞金の拠…