-
第100話 召喚憑依のキャパシティ
姑獲鳥は上空からターゲットを見つけるとイルカが水中で放つような小さな輪っかを吐き出した。 輪っかは小刻みにプ…
-
第99話 中級アヤカシ うぶめ
約半年前。 それはまだ九久津と社がバディだったころ。 六角市の南南東の郊外にあるとある廃材置き場。 社に…
-
第98話 家系
マジシャンが布を浮かせるように和紙の中心部がせり上がってきた。 紙の先端は天井に向かってゆっくりゆっくりと伸…
-
第97話 付喪師(つくもし)
ふたたび六角神社。 宮司は袈裟の懐ふところから真新しい筆をとり出しその手とは反対の手で袖をつかんで押さえた…
-
第96話 歴史の罪
夜の帳とばりが下りたころ堂流と九久津は居住区に隣接した忌具保管庫にいた。 堂流が重いパンドラの匣を開くと、…
-
第95話 手癖
三週間後。 「ざーちゃん。動くなよ~」 「……」 座敷童はニコニコしながら黙ってその場所に立っている…
-
第94話 カマイタチ
数日後。 「毬緒。今日もざーちゃんと遊ぶのか?」 「そうだよ。今日は前髪を切ってあげるんだ」 「毬緒。気…
-
第93話 兄弟
九久津堂流がまだ高校生のころ。 堂流は年の離れた弟の九久津毬緒をことさらかわいがっていた。 「兄ちゃん。あ…
-
第92話 儀式
六角神社は六角市の南西部にありもう百歳にもなろうとしていた。 永い年月の中には戦争も大きな地震も激しい台風も…
-
第91話 世界を救った能力者
俺の一歩先をいく近衛さんは電話を終え、周囲に気を配りながらすいすいと進んでいく。 きっとこんな場面には何度と…