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第170話 滅怪(めっかい)
獅身女の額に蜘蛛の巣状の亀裂が走り、ひびは頬まで延々と連なっていった。 顔の六割はまるで毛細血管が浮き出た…
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第169話 なぞなぞ
升は消えるようにふわっとボナパルテから踵を返した。 草履ぞうりと地面の摩擦音を殺して淡々と歩く。 夜道に…
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第168話 上級アヤカシ 獅身女(スフィンクス)
日本の地をぎしぎしと踏みしめて歩く者がいた。 その人物の鋭い目つきには空気さえ近づくことを遠慮しているようだ…
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第167話 仮面の男たち
ヤヌダークはロベスとの距離をとった。 だがロベスは影のようにその間合いにぴったりとついてくる。 ヤヌダー…
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第166話 証言者
そのときピエトロが脇に抱えていたタブレットから――ピーン。と電子音が鳴った。 「……なんだろう?」 液…
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第165話 隠蔽~消えた魔鏡 【ディオ・スペッキオ】~
一条がジーランディアに上陸する一時間前。 「一条さん、あと一時間弱です」 ピエトロは船内で物思いにふけ…
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第164話 過渡期と黎明期(れいめいき)
バシリスク退治の正式判定から七日後(九久津がバシリスクと戦って十日後)。 一条はすでに日本を発たち世界各地を…
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第163話 新約死海写本「七つの大罪」
「でも……外務省はすでにかなりの数の新約死海写本を手に入れてると聞きます……」 部下は自分の予想していたこと…
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第162話 終末時計
「修文の世界と平成の世界が重なった。正確には交通したってことですね?」 「ああ。そのとおり。修文の世界では…
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第161話 平成(へいせい)・修文(しゅうぶん)・正化(せいか)/H・S・S
「どうした?」 「現状報告です」 「そうか。それで?」 「そのご空飛ぶ刀を目撃したという追加情報はありま…