-
第294話 【学校の七不思議? シューベルト】
寄白さんとふたりで四階にくるのは昨日の早朝以来だ。 いちおう、蛇の罠が残っているかもしれないから細心の注意…
-
第293話 猿(サル)+狸(タヌキ)+虎(トラ)+X=上級アヤカシ
あの端材置き場は人気もないし草木も多かった。 六角市の南南東で守護山の麓も近いし奥にいけば猿くらいはいるか…
-
第292話 猿(サル)と狸(タヌキ)と虎(トラ)
今日は佐野と一緒の掃除当番だった。 俺が教室の角で埃塊ほこりと格闘していると、目を輝かせた佐野がちりとりを…
-
第291話 それぞれ
二時間目は美術で俺は今、三時間目の授業、歴史上の人物の漢字の小テストを受けている。 「武者小路実篤むしゃのこ…
-
第290話 多忙
アスを送りだした只野はふたたび診察室に戻り、カーテンのうしろから沙田を診察みたときに使ったホワイボードをガラガ…
-
第289話 idol ―明日(あす)―
視線が宙を彷徨う。 カラースケルトンのムシピンで壁に貼られているのは家庭用プリンタで印刷した新聞や雑誌のコ…
-
第288話 idol ―痩身(そうしん)―
電子機器が禁止の院内で若い女の子が持っているスポーツ新聞の見開きには、赤で囲まれた黄色い文字の「啓清芒寒けいせ…
-
第287話 鬼手仏心(きしゅぶっしん)
「じゃあ?」 「人はどうして花を飾るんでしょうか?」 戸村は急に話の筋を変えた。 九久津はまるでその言…
-
第286話 禍事(まがごと)
鈴木先生は若干慌てたように二年B組にーびーの教室を出ていった。 ちょっと話すぎたってやつか。 すぐに一時…
-
第285話 生徒
繰は午前零時を越えてもまだ仕事をつづけていた。 それでも容赦なく時間は過ぎていく。 (ここのところ寝不足だか…